診断と治療
成長ホルモン治療の適応症と医療費助成制度
成長ホルモンの治療を受けられる患者さんは限られている
低身長の原因の多くは病気によるものではありません。低身長の原因が病気以外なら治療の必要はなく、また有効な治療法もほとんどありません。成長障害の外来を受診した人の中で、実際に何らかの治療が行われるのは10~20%です。
治療の方法は原因によって異なりますが、低身長児がいちばん多く受けている治療は成長ホルモン治療です。
- 成長ホルモン分泌不全性低身長症
- ターナー症候群
- 慢性腎不全
- プラダー・ウィリ症候群
- 軟骨無形成症
- SGA性低身長症
※小児慢性特定疾病には含まれない
成長ホルモン治療で利用できる医療費助成制度
成長ホルモンは非常に高価な薬剤で、低身長の原因や患者さんの体重にもよりますが、年間約100~700万円くらいの薬代が必要となります。ただし、成長ホルモン治療の診断基準を満たせば、公的保険診療を行うことが可能となります(自己負担割合:6歳3月末以前が2割、6歳4月以降~69歳が3割)。また、成長ホルモン治療には、保護者の医療費負担額を軽減するさまざまな医療費助成制度が設けられています。なお、こうした助成を受けるにはいくつかの手続きが必要となります。
※1骨端線閉鎖を伴わない低身長 ※2体組成異常および骨端線閉鎖を伴わない低身長 ※3各健康保険組合が独自に設定している制度です。国民健康保険、全国健康保険協会管掌健康保険には付加給付制度はありません ※4指定難病医療費助成制度の対象となるのは「指定難病」と診断され、「重症度分類」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合ですが、軽症でも年間の医療費が高額となる際は対象となる場合があります ※5軟骨異栄養症(軟骨無形成症もしくは軟骨低形成症)のうち、指定難病は軟骨無形成症のみとなります ※6重症成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者さんにおいても、地方自治体による小児医療費助成制度を、各自治体で定められた対象年齢であれば利用できます 監修:福岡徳洲会病院 小児科顧問 河野 斉